聖ヨハネホスピスのご案内
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聖ヨハネホスピスについて
聖ヨハネホスピスについて
当院のホスピスは1989年、本館の一部にホスピス病室を設置したことが始まりです。1994年8月に病院本館の丁度裏側にあたる、修道院の隣に院内独立型のホスピス病棟を新築設置しました。
ホスピスと言うと、多くの方が最後に行く場所、死にに行く場所と考えられておられるのではないでしょうか。聖ヨハネホスピスでは死ぬためのお手伝いをしているのではなく、限りある人生をどう生きていくかということを一緒に考えていく作業をしています。抗がん剤治療が終わると、もう人生おしまいと考えてしまう方もたくさんいらっしゃいますが、決してそうではありません。がんをたたいて戦うという向き合い方から、がんはたたかないけれど辛くない1日を過ごすことを積み重ねていく、いわば上手くお付き合いしていく向き合い方に変わるだけです。そうすることで、元々その人が持っている力を取り戻していく作業が大切だと考えています。そして取り戻した力を使って、したいことをする、行きたいところに行く、会いたい人に会うといった、どう生きるかというエネルギーに変えていく作業が始まります。ホスピス外来に通院しながら、痛みを緩和しこの作業をしている方もいらっしゃいます。全ての人はいつか必ず寿命を迎えます。
悔いのない人生を全うするために、私たちと共に考えていく作業を始めてみませんか。
早すぎるということはありません。まずは「ホスピス希望」とお電話ください。
聖ヨハネホスピスの玄関
1.ホスピスってどんなところ?
近年は多くの方が「ホスピス」や「緩和ケア」という言葉を耳にしたことがあると思います。しかし、外来を訪ねてこられる方たちの多くは、ホスピスというところでどんなことが行われているのかまでは、良くわからないとおっしゃいます。
私たちのホスピスでは、残された人生をよりよく生きていただくために、
痛みを緩和しその人が大切にしたいことを私たちも大切にしたい
と考え、お手伝いさせていただいています。
病気は治らないかもしれないけれど、どうしたらうまくお付き合いできるか一緒に考えていくところが私たちのホスピスです。
薪で焚く暖炉のあるラウンジ1
薪で焚く暖炉のあるラウンジ2
2.まずは体の痛みを取ること
体の痛みが取れなければ、ほかに何かやろうという気にはなれません。まず体の痛みを取ることはケアのスタートラインとなります。
体の辛さだけでなく、将来への不安や、ご家族のこと、お仕事のこと、お金のこと、さらには生きている意味など様々な気がかりなことについて、解決していくための作業のお手伝いも、チームで行っています。
痛みや辛さを抱えたままでいると、本来その人が持っている力を100%発揮できないと考えられています。私たちは、寿命を延ばしたりも縮めたりもしませんが、その人が持っている力を取り戻し、その力をきちんと使うことで、寿命を全うしていただけたらと考えています。
※ チームケア:医師、看護師、薬剤師、看護助手、チャプレン、シスター、ボランティア、医療ソーシャルワーカー、管理栄養士などからなるチームで行うケア。
ラウンジ側から見た庭と東側の病棟
3.ホスピスに入りたいけれど、どうしたらいいの?
1.ホスピス外来受診の対象となるのは?
進行がんと診断され、「将来はホスピス」と考えておられる方は、どなたでも受診できます。
2.ホスピス外来の予約は?
まずは病院にお電話いただき、ホスピス相談外来の予約をお取りください(完全予約制)。入院をお急ぎの場合はその旨担当者にお伝えください。可能な限り対応いたします。
外来受診時には原則、医療機関からの紹介状をお持ちください。(用意できない特別なご事情がある場合は、電話相談時、担当者にお申し出ください)
3.抗がん治療中でも大丈夫?
この病気とうまくお付き合いするためにはどうしたらいいのか一緒に考えるのが、「ホスピス」ですから、ご希望があれば、初診外来の後も、継続してホスピス外来に通院することができます。どこまで抗がん治療を続けたらいいのか迷われてしまう方も多く、病気とうまくお付き合いするための抗がん治療の必要度は人によって様々なため、こうしたお悩みにも対応しています。なお、ホスピス入院中に抗がん治療はできません。
4.抗がん治療が終わったら、人生おしまいって思っていませんか?
がんをたたいて戦うという向き合い方から、がんはたたかないけれど辛くない1日を過ごすことを積み重ねて、うまくお付き合いしていく向き合い方に変わるだけです。そうすることで、元々その人が持っている力を取り戻していく作業が大切だと考えています。
5.痛みの治療は外来でもしてもらえるの?
ホスピス外来に通院しながら、痛みのコントロールをすることが出来ます。通院では難しい症状のコントロールが必要となれば、入院での治療に切り替えます。
6.ホスピスにはいつ入院したらいいの?
お家では辛い症状の緩和が難しかったり、食事が摂れず心配ということがあれば、早めに入院予約をお取りください。外来通院しながら、入院のタイミングを一緒に考えていく方も増えています。
7.ホスピスに入院しても点滴はしてもらえますか?
ホスピスでは点滴も緩和的治療と位置付けています。病態により、体に必要とされている点滴の量と質が異なるため、一人ひとりに一番合ったものを選ぶことによって、辛くなく1日を過ごせるよう考えていきます。
8.仏教徒でもホスピスに入れますか?
宗教の有無や種類は問いません。信者さんでなくても、ご希望があればシスターの話を聞くことが出来ますし、患者さんの中には洗礼を希望し、受けられた方もいらっしゃいます。ホスピスの中にある聖堂での礼拝に出席されることも可能です。また仏教徒や他の宗教の方であっても、何ら宗教的制約を受けるものではありません。ただし、他人への布教活動、大きな音や匂いのでることはご遠慮ください。
有償室(窓側)トイレとシャワーがついています
有償室(入り口側)
進行がんで将来はホスピスとお考えの方、病気とうまくお付き合いしていくことについて、私たちと一緒に考える作業を始めてみませんか。
早すぎるということはありませんので、まずは外来受診から。
ホスピス利用のご相談と手続き
1.連絡先
電話 042-383-4111
予約受付時間 月~金曜日 9:00~12:30
土曜・日曜・祝日はお休みです。
ホスピス外来は完全予約制です。各種保険の適応があります。
ご本人がいらっしゃらない場合、保険適応がなく、相談料がかかります。
2.予約された診療日にお越し下さい。
病院本館1階の受付で所定の外来診療手続きをお取り下さい。
担当医師とよくご相談下さい。これからの応援の方法を決めていきます。
3.入院をご希望の場合は、
(1)ベッドが空いたらすぐに入院したいという方は、外来受診の際に入院予約をして下さい。
(2)すでにホスピス外来受診がお済みの方は、病院の代表電話に「ホスピスの入約希望。」とご連絡ください。
(3)入院退院検討委員会で検討し、入院の準備ができましたらご連絡いたします。
玄関前にあるマリア像
庭から見たラウンジ外観
スタッフ
医師 看護師 ホスピスコーディネータ ボランティアコーディネータ 音楽療法士
チャプレン 薬剤師 MSW 理学療法士 管理栄養士などの職員
その他、神父・修道女などの宗教者、教育を受けたボランティアが協力応援します。
壁にもほっと一息の工夫
建物内の設備(鉄筋コンクリート造り一部2階建て)
1階 病室 ラウンジ カウンターバー 家族用キッチン 面談室 コインランドリー
プレイルーム(カラオケ、ピアノ演奏が楽しめます)
特殊入浴室(寝たまま入浴することができます) 他
2階 家族宿泊室 研修室 他
エントランスホールに飾られている絵
入院費用 (2024.6~) ※点数改定で変更になっています。
日 数 | 30日まで | 60日まで | 61日以上 |
---|---|---|---|
1日当たり入院料 | 50,550円 | 45,850円 | 34,790円 |
1割負担 | 5,060円 | 4,590円 | 3,480円 |
3割負担 | 15,170円 | 13,760円 | 10,440円 |
以上の他に食事療養標準負担金があります。
お使いの保険証の区分により1食につき490円、230円、180円、110円となります。
遺族会について
虹の会…この会は、ご遺族の方々やスタッフとの交流の場です。故人との想い出や日常生活のこと、胸にたまっていることなどを気兼ねなく語り合い、支えあうことを目的としています。基本的にご遺族になられて一年未満の方が対象です。
語らいのひと時が、大空にかかる虹のように、故人と結ばれるよう願い「虹の会」と名付けました。
さくら会…ホスピスで大切な人を亡くされたご遺族の方々が運営されている会です。
聖ヨハネホスピスに関係する本
「病院で死ぬということ」山崎章郎、文春文庫、1996年
「ホスピス通信」桜町病院聖ヨハネホスピス編、山崎章郎監修、講談社、1996年
「僕のホスピス1200日」山崎章郎、文春文庫、1999年
「河辺家のホスピス絵日記」河辺貴子、山崎章郎著、東京書籍、2000年
「ホスピスの「質」生の声」桜町病院聖ヨハネホスピス編、山崎章郎監修、講談社、2001年