「がん共存療法」について
- トップページ
- 「がん共存療法」について
2024.12.4
第2弾「がん共存療法」臨床試験への参加希望者募集は終了しました
桜町病院臨床試験プロジェクトチーム
◇「がん共存療法」とは
「がんが存在していても増殖しなければ、すぐに命にかかわることはない。がんの増殖を抑制出来れば、がんとの共存は可能である」という基本的な考えに基づいて、がんの増殖を可能な限り抑制し、無理なく、穏やかに「無増悪生存期間」(がんの増殖が一定の幅の中で抑制されている期間)の延長、すなわち生活の質をできるだけ落とさずに延命を目指す治療法を意味しています。
◇現時点ではエビデンスレベルの高くない「がん共存療法」
糖尿病治療薬メトホルミンやビタミンD、EPAを併用した「MDE糖質制限ケトン食(低糖質、高脂肪、高蛋白質食)」、食品添加物である「重曹」などを使用した「アルカリ療法」、同様に食品添加物でもあるクエン酸の抗がん効果を期待した「クエン酸療法」(クエン酸に高脂血症治療薬などを併用)、さらに「少量抗がん剤治療」の4つを組み合わせた治療法を一括して「がん共存療法」と定義しています。
2023年1月から、日本財団助成の下に開始しました第1弾「がん共存療法」臨床試験の24年5月現在の結果では、臨床試験継続中の7名中5名が、RECISTというがん治療の評価基準を満たしていますが、その5名中3名に標準治療と同等の無増悪生存期間中央値が認められました。ただ対象人数が少ないため、現時点ではエビデンスレベルが高いとまではいえません。
そのため、今回も日本財団助成の下に、更なるエビデンスを得る目的で第2弾の臨床試験を実施することになりました。
◇臨床試験について
臨床試験には、新薬の有効性を確かめる「治験」と、一般診療や基礎的医学研究から得られたヒントを、より確かな情報とするために患者さんの協力を得て行われる「医師主導型の自主臨床試験」があります。
「がん共存療法」の臨床試験は、新薬ではなく、「がんの代謝特性に基づいた食事療法に薬理学的根拠に基づいた安全性が確認されている既存の薬剤を併用して行われますので「治験」ではなく、「医師主導型の自主臨床試験」に当てはまります。
さらに、臨床試験には、その薬剤の安全性を確認する第Ⅰ相臨床試験から、第Ⅰ相臨床試験に基づいて、少人数の患者さんに対して効果があるかどうかを確認する第Ⅱ二相臨床試験、さらにその時点での最も効果のある治療法と言われている標準治療と、その効果を比較する第Ⅲ相臨床試験がありますが、「がん共存療法」は既存の安全性の確認されている薬剤と食事療法を併用する治療法ですので、上記の第Ⅱ相臨床試験に相当することになります。
◇「がん共存療法」臨床試験の参加条件
1:大腸がん術後で肺に転移のあるステージ4の74歳以下の患者さんのうち、副作用などで標準治療から離脱せざるを得なかった、もしくは標準治療終了
間もない方で、臨床試験参加中も現在の主治医と連携の取れる方(ただし肺の転移病巣がRECISTというCTにて治療効果を評価する基準を満たす最大径が
10mm以上ある方)
2:「がん共存療法」は現時点ではエビデンスレベルの高くない試験的治療であることを了解される方
3:通常の食事のできる方で、2週に一回、自力で通院できる方
4:「がん共存療法」臨床試験参加中は、他の「抗がん的治療」はしないことを約束できる方
5:副作用については、「第1弾臨床試験」において重篤なものは出現しておりません。もし出現した場合には万全の対応を致しますが、全ての薬物療法同様に、
命にかかわる様な副作用が起こり得る可能性についても了解される方
6:副作用も含めて病状の変化など本人がプロジェクトチームに連絡できない場合に、その状況を本人に代わって直接連絡できる同居人のいる方
7:肝機能、腎機能が正常な方で、糖尿病のない方。ただし、参加当日の血液検査の結果、異常が認められた場合には、参加は中止となることを了解される方
本臨床試験は、上記1~7までの参加条件を全て満たした患者さん12名を対象として予定しています。
◇参加募集期間
終了しました。
◇費用について
「がん共存療法」で使用する薬剤の中には、がんの適応がないものもあるため基本的には自費診療になります。費用には、診察費、検査費、薬剤費、機材費、その他などが含まれます。
ただし、今回の臨床試験は、第一弾同様に日本財団より助成を受けることが出来ましたので、
臨床試験参加者の皆様のご負担はかなり軽減可能になりました。上記を踏まえて、参加者の皆様には、診察時に毎回、5千円のご負担をお願いさせていただきます。
◇連絡方法 ※電話でのお問い合わせはご遠慮ください 下記1)または2)でお願いします
1)桜町病院ホームページ上の「桜町病院臨床試験プロジェクトチーム」のメールアドレスに、メールによるお問い合わせ
(project-t@seiyohanekai.or.jp)
2)「桜町病院臨床試験プロジェクトチーム」あてで、郵送によるお問い合わせ
〒184-8511 小金井市桜町1-2-20
聖ヨハネ会桜町病院 桜町病院臨床試験プロジェクトチーム